胡蝶之夢

こんな夢を見たい

しおり:文学は実学である(荒川洋治)

先日購入した本。詩作家荒川洋治先生のエッセイ集。多数の作家作品を自由に謳歌する。文学に触れることのない私には初めて知る作家ばかり。古くは大正時代、おおむね昭和時代、いくつか平成といった感じ。旅行の話も多い。「「銀の道」を行く」はスペイン西部の古道を辿る。

 

表題:「文学は実学である」もエッセイ集の中に収録。鋭い文章で鮮やかに世界を描写する数々の作品に溢れている。その2、3も拾わずにいながら、役に立たないと決めてしまう。人の人生を大きく変えるほどの激しい力があるにも関わらず、空理空論とみなして軽んじられている。

 

紹介された作品をいくつ知っていただろう。せいぜい夏目漱石くらいだろうか。田山花袋梅崎春生高見順も知らない。ドン・キホーテも読んだことない(行ったことはあるが)。それ故どれも興味を誘う。読んでみたくなった。

 

感受性も、情動の表現も薄いと感じる今日このごろ。鮮やかな文章に触れ続けることでもう少し豊かに表現できるだろうか。エモいという言葉に集約し、140字以内で終わらせてしまうのでは決して養われない力を求めて読んでいる。