胡蝶之夢

こんな夢を見たい

6月下旬:ちょっとそこまで

家にいると脳内がうるさいので外に出てしまう。あてもなく電車に乗って1時間揺られれば東京駅にたどり着く。平日の昼、丸の内はせわしなく働くカッターシャツの人たち。丸善に入るも購入は無し。いつも通り棚に並んだ本を見てたが、突然無気力に襲われた。仕方ないので出ることにした。

 

丸善は良い。立地から言って、ビジネス上で何が注目されているのか良く分かる。理工書では統計や機械学習、データサイエンスなんかが流行っているらしい。向こう100年くらいは流行り続けるんじゃないか。統計は少しやったがそれ以外は触ったことも無い。多少は修めておきたい気持ちもあるが、きっと難解さに負けて開かなくなるだけだ。

 

昼は結局構内の立ち食い蕎麦屋でうどんを食べた。弾力のない麺とレトルト味のカレー。ツユが味を決めてるんだと言わんばかりのかけうどん。悪くないな。金を払えばより良いごはんを食べることは出来るだろう。気取った店に一人で入るのは忍びない。店の雰囲気に押されてしまうような気がする。気になって無い訳では無いのだが、一人で入る勇気が無い。そうやって通り過ぎた店は何件もある。財布に十分な金が入っているだけでは駄目なのだ。

 

電車に乗って帰ろうか。ラッシュアワーの前に電車に乗りたい。夕刻になって学生が多い。もう10も離れているのか。私は10年間何をしていたのだろうか。こういうのを後悔と称するのだろうか。後悔だけはしたくない。いくら歳をとろうとも。